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【科学】人間拡張の最前線!『スーパーヒューマン誕生! 人間はSFを超える』

 

こんにちは。

以前、成毛眞氏のSTEAMを取り扱った著作を紹介した。この記事で紹介する本も実は『AI時代の人生戦略』でおすすめされていたうちのひとつだ。

『スーパーヒューマン誕生! 人間はSFを超える』/稲見 昌彦

 

スーパーヒューマン誕生! 人間はSFを超える (NHK出版新書)

スーパーヒューマン誕生! 人間はSFを超える (NHK出版新書)

 

 

このタイトルのキャッチ—さが伝わるだろうか。タイトルだけでわくわくしてこないだろうか。この分野に疎い人が見れば詐欺だと思うかもしれない。

しかし科学はこれを実現可能にするだろう。その証明の一端がこの本に記されている。

 

著者の稲見氏は人間拡張工学を専門とする研究者である。

人間拡張といわれてもピンとこない方もいるだろう。

この本の言葉をそのまま引用するならばこういう定義となる。

「簡単にいえば機器や情報システムを用いて、人間がもともと持っている運動機能や感覚を拡張することで工学的にスーパーマンをつくりだすことだ。」

ちまたではAIが話題にあがることが多いが、こんなに魅力的なトピックが潜んでいるのだ。

そんなわけで本の中で挙げられている例のうちの2つをとりあげてみようと思う。

 

1.光学迷彩(Optical Camouflage)

こちらは著者の稲見氏の研究成果のひとつである。本人いわく、転機となった出来事だとのべている。

動画があるのでご覧いただきたい。原理や応用は動画を見てもらったら分かるだろう

この研究は、SF作家である士郎正宗の代表作『攻殻機動隊』からヒントを得てつくりあげられたそうだ。稲見氏はこの出来事から「SFなどエンタテイメントと研究は相互作用がある」ことに気がついたという。

これもある意味でSTEAMのA(Art)が必要だというひとつの根拠になりうるかもしれない。

 

2.ブレイン・マシン・インターフェース          (brain-machine interface)

むずかしい言葉をつかってみたが、この研究は簡単にいってしまえば「念力」のことである。とはいえオカルトチックな話ではない。しかしサイエンスを用いれば「念力」と同じことができるようになるかもしれない。

米国ニューヨーク州立大学のジョン・チュイピン教授らがネズミを使って行った実験である。

①まずはじめにレバーを押すと水がもらえるロボットアームを使用し、ネズミにレバーを押せば水を飲めることを学習させた。

②次にレバーを操作するほんの少しまえに発火する脳の神経細胞から信号を検出して、その神経細胞が発火した時に送られる脳信号をもとにロボットアームがうごき、水が飲めるようにプログラムを組んだ。

するとなにがおこったのだろうか?

ネズミはしばらく、足でレバーを押して水を飲んでいたが、やがて足を動かさなくても頭で考えるだけで、ロボットアームがうごくことに気づくようになったのだ。

本来ネズミにはロボットアームをうごかすための神経伝達のしくみを持たない。もちろん人間だってそうだ。

つまり私がこの研究から感じたのは、ネズミにロボットアームのうごかしかたを教えるための実験だったのだということだ。ネズミにできるのであれば人間ならばもっとスムーズに行えることだろう。

個人的に感動したのは研究そのものではなかったが、問題解決のプロセスが垣間見えたので興奮してしまった。

大したことないと感じてしまう人もいるかもしれないが、実はこの実験1997年に行われたものなのだ。

ここから20年どのような進化が見られているのか、これからどのような進歩していくのか…非常にたのしみである。

 

他にもたくさんの研究がとりあげられている。

人間拡張工学のみならず人間の認知能力や定義そのものまで考えさせてくれるもりだくさんな本になっている。

最後にWebでも体験できるおもしろいリンクを貼っておく。時間があればこちらも体験してみてほしい。

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